アンティーク時計店主のつぶやき

オーストラリアにある高級アンティーク時計専門店メルシーウォッチの店主が綴る、何気ない日常の生活や仕事にまつわるお話しです。

メルボルンの春節祭

旧暦のお正月を祝うお祭り「春節祭」、ここメルボルンでも毎年行われている大きなイベントの一つです。

日本では、中華街のある神戸や横浜でも行われているので、そちらに行かれたことのある方なら、どのようなお祭りかご存じではないでしょうか。

 

ここメルボルンは、本当に中国系移民の多い町。

それはこのお祭りの規模をご覧いただいても、きっとお分かりいただけるはず。

メルボルン市内のど真ん中にある中華街、その通りを通行止めにして行われるほどの大きな大きなイベントです。

 

今年は知り合いの中国人の方に、良く見える場所に連れて行ってもらいました。

今まで行ったことはあったのですが、かなりの人出になるので、押し合い圧し合いみたいな感じで、しかもあまりよく見えないこともあって、もう一度行こうとは思っていなかったイベントでした。

 

今回は、有料立体駐車場の上の階から見るという離れ技。

連れて行ってもらった方のお子さんが、このお祭りに参加しているということで、ここ数年は毎年来ているのだそうです。

こんなところから見るなんて、知っている人でないとできないですよね。

その成果たるや・・・

 

素晴らしい見晴らしで、見える見える。

お祭りの始まりの行進から、爆竹の大爆発まで。

耳が痛くなるほどの大音響に、大量の火薬と煙の臭い・・・

なんとも大迫力でした。

 

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この後、五虎将軍諸葛孔明なども登場するのですが、お祭りの始まりこそ人出はそれほどではないのですが、爆竹の音がすると、どこから集まったのか、本当に黒山の人だかり。

私たちが見ている場所も、後ろから押してくる人や、うまく割り込んでくる人でいっぱいに。

携帯を落とすとまずいので、写真を撮るのは控えて、ゆっくりと見物していました。

 

この写真は、お祭りが終わったすぐあとの写真。

舞いの行われていた場所のバリケードが撤去され、集まっていた人たちの大移動です。

まるでウォーリーを探せのよう・・・

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ここでのメインイベントが終わった後は、獅子たちが市内にある中華・アジア系のお店を次々と回っていきます。

お店の前で舞いをして、そこでもたくさん爆竹をぶち上げてということを繰り返していきます。

日本の獅子舞の原型なのかもしれませんね。

 

市内の真ん中の主要道路、トラムまで通る場所でも、大量の爆竹を鳴らしても良いというお墨付きがあるのでしょうから、中国移民のパワーには圧倒されます。

写真は、黒い服を着たスタッフの方の足のすぐ下に、トラムの線路があり、トラムがすれすれを通り過ぎるほどの場所。

お店の前で行われている獅子舞を見る人だかり、それを避けようとする人がトラムに轢かれそうになるので、それを防ぐために、黒い服のスタッフがトラムが通るたびに人を誘導しています。

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普段はあまりよく思われないことの多い中国系の方々ですが、私個人としては、こういった面では本当に頭が下がりますし、尊敬できる部分です。

日本人を含め、アジア系の移民が、あまり差別なく、それこそ大手を振って暮らしていけているのは、多くの中国系移民の方のご苦労があってこそ。

数で勝負・・・というわけではありませんが、メルボルンに住めば、家の向こう三軒両隣のどれかは中国・アジア系の方という時代になりましたから。

知り合いに聞いた、移民の始まりからほんの数十年前のありえないような差別があった時代からは、考えられないような、アジア系移民にとっては良い時代になりました。