アンティーク時計店主のつぶやき

オーストラリアにある高級アンティーク時計専門店メルシーウォッチの店主が綴る、何気ない日常の生活や仕事にまつわるお話しです。

安心して子供が育てられる環境作り

大きな台風ですが、どうも日本列島に沿って直撃しそうな状況ですね。

かなり大きな台風のようですから、気を付けてくださいね。


さて移民の話はいったん置いておいて、今回は日本の国の中で子供を増やせないのかということ。

確かに晩婚化は進んではいるものの、これは寿命も延びていることだし、昔は60歳といえばおじいさんだったのが、今では60歳くらいならまだまだ元気な人ばかり。

20歳台で結婚していたものが、30歳台になってくるというのは、それを考えれば当たり前のようなもの。晩婚化は世界的な傾向ですし、そうなると晩婚化に歯止めをかけるなんていうのは難しいことですよね。

そうなるとやっぱり、すでに結婚している人に子供を産んでもらう、二人目・三人目を産んでもらうにはどうしたらいいのか?というところに手を付けるべきだと思うんです。

正直な話ですが、日本の情勢や経済がどうなるかわからない中、仕事は忙しいしストレスも多いとなれば、子供を産むというのはやはり難しいと思わざるを得ないですよね。

しかも特に大変なのは、やっぱり子供が小さいうち。共働きというところも多くなっている中で、昔のように奥さんだけが子供の面倒を見ていればいいような時代でもなくなってきましたしね。

将来的な設計図も、共働きをしてどうなのかということから計算しているところも多いでしょうし、昔のような完全な終身雇用という形も変わりつつありますし。

子供を産むという選択をするのは、だんだん難しくなってきているのもやっぱりわかります。

そうなると、そのあたりにしっかりと対策を取ってあげるのが一番の良い方法ではないかと思うのですがどうなのでしょうか。



今私が住んでいるオーストラリアでは、本当に順調に人口は増えています。

もちろん移民を受け入れているからというのも、大きな理由としてありますが、一時的な人口爆発のような人口増の原因を作ったのは、オーストラリアの政策によるものだと思っています。

一番大きいと思ったのは、新生児1人で30万円から最高で50万円くらいまでもらえる出産祝いのようなもの。

産むのにお金はかかりますが、そこをしっかりサポートしてくれるのなら、生まれる時の経費や初年度くらいは、このお金でなんとか計算も立つというもの。

しかも働いている人に関しては、このお祝いを受け取らずに、給料の幾分かが支給されるという形も選べて、祝い金とどちらか多いほうを選べるのだから、働いている人をさらに優遇するような対策が取られています。


さらにもちろん所得によってもらえる金額は変わりますし所得制限もありますが、子供がいれば最高で1年に90万円くらいもらえ、金額は変わっていきますが、16歳までそれが続くのだから、そういう意味では本当に子育てに手厚い政策が取られています。


あとは保育所に預けるのにしてもそうで、これもいろいろ条件などによって変わるのですが、4割ほどを政府が負担し、さらに親が働いていれば、その残りの半額ほどが、支払うはずの税金から差し引かれるという優遇もされています。

ここでも働いている人を優遇するという対策が取られていて、この辺りは、人口を増やしながら、かつ女性も労働力としてしっかり維持しているんだなと感心しています。

日本だと、結婚したり子供ができたりすると、寿退社なんていうことがまだまだ多いようですが、ここオーストラリアでは、妊娠していることや育児休暇を取っていることを理由にクビにしたりはできないし、さらに1年間は育児休暇を取ることが保証されているので、子供を産んでしっかり1年間面倒を見て、そこから大手を振って元の仕事・職場に戻ることができる、それが保証されているわけです。

こういったところは、労働力不足に傾いている日本には、本当に本当に見習ってほしいところです。

女性がしっかり安心して働ける、共働きで奥さんの収入も見込める、さらには子供の養育費も十分に賄えるという計算ができることが、子供を持つ上では重要なこと。

子供が中学生くらいになれば、一人で学校に行って帰って留守番もできるようになるわけですから、それまでの託児所・保育園や幼稚園、小学校くらいまで、親が家に帰るまで子供を見てもらえるところを確保する、さらに費用的にも、働いている人には、税金の還付などで優遇するという対応をもっとしていかなければいけないのではないでしょうか。


少し前に始まった子ども手当、すぐに使ってしまうような小さな金額をもらえるよりも、実際に子供を持つ身からすれば、子供が小さい時にこそ手厚く、働いている人は職場復帰しやすい、育児休暇もとりやすいという環境を作ってあげるほうが、よっぽど大事なのではないかと思います。

特に1年間の育児休暇制度や、仕事や職場・役職が出産前と同じである保障をするなんていう面は、きっちりと法制化してしまったほうが良いように思います。

人口が増えないのは、やっぱり親のストレスや将来に対する不安なんていうのが、一番大きな原因になっているように思います。

そのあたりをしっかりしてあげれば、もっと安心して子供を持てるようになる、それが続けば子供を持ってみたいと思うようになってくるのだと思うのですがどうなのでしょうか。


日本とオーストラリアを比べれば、日本のほうがいいこともたくさんありすぎて、一面だけ取ってオーストラリアが良いなんて言えないのですが、オーストラリアを見習ってもいいんじゃないかなという点もあります。