アンティーク時計店主のつぶやき

オーストラリアにある高級アンティーク時計専門店メルシーウォッチの店主が綴る、何気ない日常の生活や仕事にまつわるお話しです。

移民の受け入れに思うこと Part1

日本のニュースを見ていると、日本の人口が減るので移民の受け入れをどうしようかという話をよく聞くようになりましたね。

私の住んでいるオーストラリアは、本当に移民の受け入れが多い国で、どこに行ってもアジア系の人たちをみかけるほど、中国人がたくさん住んでいる地域に行けば、オーストラリア人よりも中国人が多いというエリアも本当にあります。

そもそもオーストラリアの先住民はアボリジニ。西洋人が住みだしたのはここ200年ほどの話なので、オーストラリア人とは何を指すのか?というと、ちょっと違和感というのもあるのですが、基本的には西洋系の人たちですね。


さて日本が移民を受け入れるべきか、そうでないのか。最近になって話題や議論にあがることの増えてきたことですが、私個人の意見から言えば、受け入れはしなければいけないのだと思います。

日本は高度成長期・ベビーブームなどもあって、1億人を軽く超えるまでに成長していますが、国や施設・住宅といったものも整備され増えて、すでに1億人を超えた人数に合わせて作られてきたもの、すでにそんな人口を受け入れるだけそろっている・そして揃っているものを、今度は引き続き整備し続けていかなければならないということなんですよね。

人口が下向きに減っていくとなると、それこそ本当に人がいない町、整備されない施設なんていうのが実際にでてきてしまうと思うわけです。1億人を超える人口で支えていた設備、今度はそれが老朽化していくのに対して、その当時よりも少ない人数をもとに支え続けていかなければならないのですから。

毎年日本に帰るたびに思っていたことですが、とにかくビルでも住宅でもレストランでも、どのくらい前くらいからでしょうか。2000年を境にどんどん増えていたように思います。住宅もここ最近になって、一気に戸建なども増えたように思います。

これらは今の人口をもとに成り立っているわけで、これが人口が減っていくと、空き家なども増えてくるでしょうし、お店も成り立たないところがでてきてしまうわけですから。もうすでに田舎では、少し離れた場所に造成された住宅などの空きが増えてきているようですしね。


今になって移民をどうするのかという議論をしているようですが、オーストラリアという移民の国に住んでいる者からすると、ちょっと手をつけるのが遅かったような気がします。

理由は簡単なのですが、移民は簡単に増やせるものではないということだと思います。

確かに難民を受け入れたり、誰でも良いから入れてしまうというのであれば、単純に数だけは増やせるかもしれません。でもそれでは、日本人との間の軋轢も生じるでしょうし、受け入れる体制自体ができていないわけですから、受け入れられ側もうまく生活をしていくことができないということになってしまうはずです。

特に日本は本当に特別な国。なんといっても総人口に占める外国人の割合が2%以下、ほとんどが日本人というお国柄。

ほとんどの人が日本語をしゃべることができ、読み書きができる。

これは本当に素晴らしいことですが、言い換えれば行政サービスなどは、日本語でなければ受けることができないということで、移民にとってはこれほど難しいことはないはずです。

日本語をしゃべる国は日本しかない=他の国から日本語を使うことのできる移民を大量に受け入れることはまずできない、と考えなければいけないということなのです。

当たり前のことなのですが、オーストラリアのように英語であれば、他の国でも英語をしゃべる国はたくさんあります。さらに英語を学んでいる、もしくは第二言語として勉強している人もかなりの割合でいるわけです。

日本には、「日本語ができる」移民を受け入れるという選択肢がほぼありません。

しかも海外の流れとして、昔はドイツ語・フランス語が人気で、ひとむかし前は日本語が勉強する言語としては人気があった時期もありました。それも今は中国語に変わっていますから、そういう意味でも日本語を勉強しているという人も少ないわけです。

日本語ができる人だけを受け入れていく。果たしてそれだけで毎年20万人を超えると言われている人口減をまかなえるほどの数になるのか。

正直なところですが、本当になかなか難しいのではないかと思っています。

ちょっと遅きに失した感は否めませんが、オーストラリアなどの移民を受け入れている国を研究してもらって、どのようにすればスムーズに受け入れることができるかというのを、本当に早急に調べてもらいたいものです。

また移民については、近いうちに書いてみたいと思いますので、今日のお題はPart1ということですね。